特集 産科の救急対策
開業医の救急体制の現状と将来
大村 清
1
Kiyoshi Omura
1
1日本母性保護医協会
pp.301-309
発行日 1972年4月10日
Published Date 1972/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409204585
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はじめに
われわれは,必ず起こるが,しかしいつ起こるか分らない救急患者に備えて開業しているといつても過言ではない。
しかし,一言でいえば開業医の救急対策は,現在ではきわめて不十分であるといわざるを得ない実情である1)。特に産科の患者は本来救急患者になり易い素地を全部が持つていることが,頻発している医療事故,医事紛争からもうかがわれる。しかも現在の医事紛争は,大病院より開業医に多く,この点からも有効な対策の樹立が焦眉の急である。以下,私の居住する東京都の現状を中心に問題点をとり上げてみたいと思う。
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