特集 産婦人科診断--最近の焦点
分娩経過図Partogram
岩崎 寛和
1
1横浜市立大学医学部産婦人科学教室
pp.1121-1124
発行日 1970年12月10日
Published Date 1970/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409204328
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
そもそも分娩には母児二つの生命が関係し,しかもその過程において予期し難い異常や障害が発生するおそれがあるので,本来生理的な現象とはいうものの,他科領域には見られない特殊な現象である。したがつて分娩時には,手術時や麻酔の際におけると同様に,全過程を通じて厳重な監視と観察が必要であるにもかかわらず,その過程が数時間ないし十数時間,時には数日にわたるために,とかく観察が不十分となり,不慮の失敗を招くおそれがある。分娩経過図はこうした危険を防止するという必然性から考案されたもので,分娩の進行度および経過の良否が一目瞭然と図示されるという利点がある。その他考えられる利点を列記すると次のようである。
Copyright © 1970, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.