特集 異常妊娠とその診断
双胎妊娠の診断
山村 博三
1
Hirozo Yamamura
1
1聖バルナバ病院
pp.607-612
発行日 1970年7月10日
Published Date 1970/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409204242
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双胎妊娠の診断は必ずしも困難ではないが,臨床的内・外診による妊娠中の診断の適中率は52%(Kurtz1)),60%(Bolte2)),60%(Waidl3)),2/3(Guttmacher4)),80%(Tow5)),87.5%(Spur-way6))などで,最低では約半数しか診断されていないし,最高値でも90%に達していない。妊娠中には診断がつかず,1児が娩出された後にはじめて診断のつくような,産科医としては患者に対してはなはだ面目のない場合も,約10%に存在する(Wharton7),Spurway6))。
適中率は,診断をつける妊娠時期の早いおそいにも関係し,早い時期程むずかしいことは当然であるが,双胎妊娠では早産の傾向が強く,未熟児出生の頻度が高い故に,なるべく早期に診断され,おそくとも8ヵ月には確診がつけられることが望ましい。それは,その後の臨床経過を監視し,必要ならば早産防止の処置を講じる必要があるからである。
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