症例
卵管に原発したと思われる腺癌の1例
佐野 正治
1
,
富永 好之
1
,
長谷川 清
1
,
堀 哲美
1
,
森久 博司
2
Masaharu Sano
1
,
Hiroshi Morihisa
2
1鳥取大学医学部産科婦人科学教室
2鳥取大学医学部病理学教室
pp.357-359
発行日 1970年4月10日
Published Date 1970/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409204202
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はじめに
女性性器は癌の好発臓器であるが,原発卵管癌は全女性性器癌中0.2〜0.5%9)と比較的稀である。最初に報告したのはRaymand (1847)10),本邦では佐野(1913)12)で,その後かなり多数の報告がなされている。最近,われわれは左付属器良性腫瘍の診断のもとに開腹したところ,左卵巣は拇指頭大で癒着し,左卵管に超鶏卵大の腫瘍を認めたが,悪性腫瘍であることに疑いがもたれなかつた。しかし術後の病理組織検査により卵管癌と診断されたが,臨床所見や病理組織学的所見により,原発卵管癌と思われるのでその概要を報告する。
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