特集 月経異常とその診断
無排卵性周期—その病態と診断のオリエンテーション
林 要
1
Kaname Hayashi
1
1神戸大学医学部産科婦人科学教室
pp.109-116
発行日 1970年2月10日
Published Date 1970/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409204159
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はじめに
無排卵性周期症は一般論的に見て他の無排卵疾病と比較して,取り扱いやすい疾病であり,事実,本症に対する各種排卵誘発法の治療効果も他の無排卵疾病と比較して断然すぐれた結果があげらている。
これは本症の排卵機能は障害されるが,なお動的な卵巣のsteroidogenesisはなお保持されているという病態生理から見て,きわめて当然の帰結と言えるのであるが,この反面,その実態の細部は今後さらに追究する余地が残されており,なかんずくその内分泌環境も最近かなり複雑であることが判明されつつある。
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