研究
妊娠後期における血清中Leucine aminopeptidaseおよびCystine aminopeptidaseと耐熱性Alkaline phosphataseとの動態について
吉田 威
1
,
山口 龍二
1
Takeshi Yoshida
1
1東北大学医学部産婦人科学教室
pp.129-132
発行日 1969年2月10日
Published Date 1969/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409203995
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はじめに
oxytocinase, cystine aminopeptidase (以下CAPと略),leucine aminopeptidase (LAPと略),耐熱性alkaline phosphatase (HSAPと略)などの酵素が,胎盤で高い活性を示し,妊婦血清中では,正常人の数十倍にも上昇することはよく知られている1〜5)。このような胎盤由来の諸酵素の血清中での活性を測定することにより,胎盤の機能を知ろうとする試みも多くなされており,われわれ3)も,先に妊婦血清中のHSAP活性を連続的に測定し,その型から上昇型,停滞型,下降型,不安定型に分類し,それと臨床像との関連について検討し報告した。
一方,LAP, CAPなどの酵素もHSAPと同様に,その活性が,妊娠後期に上昇するので,それらが一緒に変動している可能性がある。今回は妊婦血清中のCAPおよびLAPの変動とHSAP活性の変動,すなわちこれらの酵素活性で代表される胎盤の機能が,HSAPで表現されるそれと一致するかどうかについて検討を試みた。
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