グラフ
下垂体前葉および絨毛の電顕像
吉村 不二夫
1
1東京慈恵会医科大学第2解剖学教室
pp.630-632
発行日 1968年8月10日
Published Date 1968/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409203917
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下垂体性gonadotrophinの生産細胞はFSH,LH細胞とに分類され,それぞれに特徴ある内部構造を備えていると考えられているが,未だいろいろの問題点がある。ここでは成熟雄ラットの前葉genadotrophを客観的に観察しよう。図1は200〜250mμのβ-顆粒を豊富に持ち,未だERが良好なる発達を示さない第1型である。図2は顆粒が減少しERが拡張して胞体を満す第2型であり,図3は球状のERの中に電子密度の高い内容物か沈着する第3型である。3つのgonadotrophsに共通してGolgi輪の発達はよい。これ等の細胞は全く独立的なものでなく,その間に種々の中間型がある。細胞の機能的差異については何もわかつていないし,また出現部位による差も余りない。現在のところFSH,LH細胞を形の上で分けることは危険であり,また無理であるように思う。
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