グラフ
リンパ節廓清に焦点をおいた超広汎性子宮癌根治術式
山本 浩
1
1川崎市立病院産婦人科
pp.97-100
発行日 1968年2月10日
Published Date 1968/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409203833
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
子宮癌根治手術は癌原発巣の子宮体そのものの摘出と原発巣からの癌浸潤経路である子宮の支持装置の摘出と,病巣より淋巴系を経ての転移病巣及び転移が存在するかも知れない淋巴節,淋巴管等淋巴系組織を広汎かつ完全に廓清することの3点を満足しなければならない。淋巴系組織の廓清は,動脈血管鞘に切開を加え(図1-1)血管壁より淋巴節を含む脂肪結合織を剥離両側に垂れ下るように下げ(図1-2)続いて静脈壁にも同様血管鞘に切開を加え(図1-3)両側に剥離し(図1-4)淋巴節,淋巴管を脂肪結合織と共に一塊としてen blockに廓清し,廓清は系統的に一定の順を追つて行なう。また現在一般に行なわれている子宮癌手術術式である岡林術式及びその変法は,支持装置の摘出なかんずく淋巴系組織の多い基靱帯に於いて(図2)のごとくその一部を切除しておるに過ぎず,相当量の淋巴系組織を含む部を骨盤壁に近く遺残しているから(図3)骨盤壁に沿つて基靱帯を切除し,その中に脂肪結合織と共に混在する淋巴節を全部摘出することは,子宮癌手術にとつて絶対必要条件といえる。
Copyright © 1968, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.