シンポジウム 産婦人科領域における保存的手術療法--第140回日本産科婦人科学会東京地方部会例会シンポジウムより
頸管および間質部妊娠の保存的手術療法
岩崎 寛和
1
1横浜市立大学医学部産婦人科教室
pp.455-457
発行日 1967年6月10日
Published Date 1967/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409203712
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頸管妊娠と間質部妊娠とはともに子宮内の異所的妊娠でありますが,着床部が異なるために,それぞれ次のような特徴をもつています。すなわち間質部妊娠は開腹しない限り止血は困難でありますが,一たび開腹しさえすれば止血も着床部の切除も比較的容易であります。一方頸管妊娠は私の経験では,着床部を確認し,そこを切除することはなかなか困難でありますが,外出血に対しては外子宮口をミューゾー氏鉗子またはゼゴン氏鉗子等を用いて閉鎖することにより,容易に止血しうるので,その後の処置はあわてずに行なうことができます。
両者とも興味ある問題点がたくさんありますが,本日はテーマに従つて治療法,特に保存療法についてのみ述べさせていただきます。しかしながら,私はそれぞれ1例ずつの経験をもつているに過ぎませんので,これですべてを律することができるかどうかは疑問でありますが御容赦願います。
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