薬の臨床
腟炎および子宮腟部ビランに対する—新フランセF錠の治療効果
金沢 義一
1
,
宮崎 英智
1
,
豊泉 清
1
,
安部 直利
1
Yoshiichi Kanazawa
1
1群馬中央総合病院産婦人科
pp.427-429
発行日 1967年5月10日
Published Date 1967/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409203704
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はじめに
日常外来診療において,帯下と外陰部掻痒感を訴える患者は非常に多く,その原因としては子宮腟部ビラン,非特異性腟炎,トリコモナス腟炎,腟カンジダ症,老人性腟炎等が主である。その治療法は,当然原因によって区別されなければならないが,また考え方によってはしばしば子宮腟部ビランと非特異性腟炎が合併したり,子宮腟部ビランにトリコモナスやカンジダ症が合併している。この意味からは広範囲に適応を有する腟錠の出現もまた望ましいところである。
持田製薬のフランセF錠はすでに昭和38年本学会において発表したとおりほぼ満足すべき効果を有するが,欠点としては時に腟粘膜を刺激して腟壁の充血,疼痛,外陰部の掻痒感を訴えるものがある。そこで今回フランセF錠中の結晶トリプシン2,000単位をα—キモトリプシン1,000単位に切り替え,塩化ベンゼトニウム1mgを21ngに,塩酸ジフェンヒドラミン2mgを9mgに増量し,結晶トリプシンによる刺激作用を回避し,塩化ベンゼトニウムの増量でカンジダ症に対する効力を強化し,塩酸ジフェンヒドラミンの増量で掻痒感に対する効力を強化した新フランセF錠を持田製薬より提供を受けたので,以下のような実験を行なつた。
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