Isotope入門・1
産婦人科領域における血液学とアイソトープ
古谷 博
1
Hiroshi Furuya
1
1東京大学医学部分院産婦人科教室
pp.63-68
発行日 1967年1月10日
Published Date 1967/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409203634
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はじめに
血液学の研究方法には従来の形態学的方法に加えて,生化学的,生物物理学的方法がとり入れられ,一方では他の領域,たとえば内分泌学的研究領域と接触しながら,現象を動的かつ量的に把握しようという方向に進みつつあるのは,最近のわが領域における血液学の一つの傾向でもあり新しいねらいでもあろう。
ことに妊娠時における母体および胎児の造血機能,胎児性血色素を中心とする異常血色素の問題,妊娠と造血因子,造血に必要な鉄,銅,葉酸,VB12などの代謝,血液凝固系,ひいては母児間の血清成分,血清酵素の比較,胎盤の物質通過機序,輸血ことに交換輸血,血液型不適合,重症黄疸など,わが領域における血液学的研究には多くの問題がある。
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