特集 婦人科の手術管理
術後の栄養の問題
木村 信良
1
Nobuyoshi Kimura
1
1東京医科歯科大学第2外科
pp.33-36
発行日 1967年1月10日
Published Date 1967/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409203626
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
手術後の患者管理はきわめて広い角度から行なわれなければならないが,そのなかで栄養管理は,すべての場合に常に取上げられる問題である。一般に術後経過が順調であるということは,合併症を起こさずに経過するという意味にもなる。したがつて合併症さえ起こさなければ,われわれの手術成績は一応「よい」とされている。 もちろん合併症の現われをいちはやく発見して,これに治療を加えることが大切であるが,さらにこの問題を積極的におしすすめると,合併症を起こす原因,起こしやすい原因,さらには合併症が出現した場合の準備,対策ということに十分注意することが大切ということになろう1)。そこでこの栄養管理の問題がこれらに密接な関連をもつてくる。いま合併症云々,と述べたが,順調な経過をとる生体の術後反応の経過をまず熟知し,これに適応するような管理方法で観察することが,最も合理的な経過の観察ということになる。
ここに手術侵襲の経過やこれと栄養管理の時期などについて,私共外科の立場で述べてみたい。
Copyright © 1967, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.