講座 先天性異常の早期診断とその処置・5【最終回】
新生児期に救急手術を要する異常について—小児外科の立場から
森田 建
1
,
小川 久雄
1
Ken Morita
1
1日本大学若林外科教室
pp.743-748
発行日 1966年9月10日
Published Date 1966/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409203556
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
前回までに分娩前後における先天性異常の早期発見について,産科および小児科の立場より,それぞれ述べられてきた。これらの先天性異常には保存的な療法や管理によつて十分発育しうるものもあるが,外科的療法を必要とするものが極めて多く,ことに新生児期における救急手術が唯一の救命手段となるものも少なくない。この新生児期に救急手術を要するものは主に内臓の奇形によるものであり,その手術予後は患児の全身状態の良否に大いに影響されるものである。脱水や栄養低下あるいは肺炎などの合併症を伴つていると,それだけ手術の成功が困難となるのである。いいかえると新生児期に救命手術を要する患児の予後を決める第1の鍵は,早期診断と手術までの処置・管理にあるとまでいいうる。
Copyright © 1966, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.