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組織移植と免疫—Rupert E.Billingham
pp.319
発行日 1965年4月10日
Published Date 1965/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409203262
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同種移植時に起こるさまざまな免疫反応現象を中心に,組織移植免疫の基礎的見解を紹介する。現在の所,被移植個体と,血管結合が成立した移植片によつて惹起される反応は,流血中に生ずる免疫学内活性を有する淋巴系細胞の働きによるとの見解が広く支持されてる。これに対し,報告者は,次のごとき観察事実から,多少の批判を加える。
1)移植皮膚片への過敏性の移行。2)移植腎の局所反応は,淋巴球様細胞によつて惹起される。3)移植抗原に対しモルモットやハムスターが矛す皮膚の遅延反応。4)特別活性化した淋巴球様細胞が,試験管内で同種標識細胞に対して示す,細胞破壊作用。そして最後に免疫学的活性を得た細胞が,移植組織を破壊する機序について老察を加える。
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