今月の主題 免疫反応と臓器疾患
免疫複合体によって起こる疾患
移植免疫
池脇 信直
1
,
辻 公美
1
1東海大学医学部・移植学2
pp.862-864
発行日 1985年5月10日
Published Date 1985/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402219758
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近年,血中immune complexes(以下ICs)が種々な自己免疫疾患や糸球体腎炎の発症に関与していることが知られてきた.しかし,ICs形成は本来,抗原を除去するための生理現象であり,どのような条件のときに組織障害性を持つようになるかは重要な問題である.
一方,最近の移植免疫学の進歩により,機能不全臓器に対する治療法として,同種臓器移植は有効なものと考えられるようになり,ヒトの主要組織適合抗原であるHLA(human leukocyteantigen)遺伝子領域の解析および血中ICsの拒絶反応に果たす役割が示唆されてきている.
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