Japanese
English
新生児
新生児の先天性横隔膜ヘルニアについて
Congenital diaphragmatic hernia of the newborn infants
古谷 博
1
,
星合 久司
1
,
堀口 貞夫
1
,
藤井 仁
1
,
町田 純一
1
Hiroshi Furuya
1
1東京大学医学部産科婦人科学教室
pp.455-460
発行日 1962年6月10日
Published Date 1962/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409202637
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
緒言
小児期,新生児期の横隔膜ヘルニアは,それ程稀な疾患ではなく,しかもこれに対して外科的処置が適切に行われればその予後は著しく良好となるものである1)。本症については我が国でも今日までに多くの報告があるが,そのうち生後1年以内の症例は池田2),星野3)等が総括しているように20数例に過ぎず,そのうち最も小さい児の治験例は生後9日4)のものである。
本症の治療にあたつて,その予後をよくするためには早期診断,早期手術が最も大切であることはいうまでもない。しかるに従来の報告が主に小児科及び外科側より行われているものが多いことが示すように,産科医によつて看過されていたために診断,治療がやや遅れている症例が多かつたきらいがあつた。したがつて本症の早期診断を下すためには,生後直ちに新生児に接する産科医が本症が稀れにしかないとはいえ,広く新生児の外科的疾患に対しても関心をもち,新生児の診察に当つて常にこれを念頭に入れておく必要があると思われる。
Copyright © 1962, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.