Japanese
English
婦人科 外陰疾患
粉瘤に続発した両側小陰唇のFordyce氏状態の1症例
A case of Fordyce's condition of bilateral labia minora which developed following atheroma
武田 正美
1
,
宮川 コウ
1
,
宮川 慶吾
2
Masami Takeda
1
1岩手県立中央病院産婦人科
2岩手医科大学病理学教室
pp.33-37
発行日 1962年1月10日
Published Date 1962/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409202552
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はしがき
いわゆるFordyce氏状態とは3),口唇,頬粘膜あるいは乳腺,腋窩等における,毛髪を有しない独立脂腺の異常増殖症をいい,これは脂腺腫のような真性腫瘍とは異なり,以上の好発部位以外に一種の組織奇形として生理的にも陰部,とくに小陰唇に潜在することが知られている。しかしこの異常増殖状態のみでは,格別臨床的に問題とされることは少なく,同時に皮様嚢腫,粉瘤などに合併して特異な腫瘤形成を示し,皮膚科医または産婦人科医を訪れることが多く,またその組織発生が他の真性腫瘍と趣きを異にするので,古くから注目されている疾患である9)。私共は最近,肺結核加療中の36才経産婦小陰唇一側に発生した粉瘤に定型的なFordyce氏状態を合併した症例を経験し,これを切除全治せしめた後,約4カ月後に他側小陰唇に全く同様の腫瘤形成を来たし,再びこれにつき組織学的検索を兼ね,若干の考察を加えたので,その大要を報告する。
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