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Fox-Fordyce氏病の1例
後藤 甫
1
,
笹岡 洋輔
1
1鳥取大学医学部皮膚科泌尿器科教室
pp.373-375
発行日 1956年6月1日
Published Date 1956/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491201699
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緒言
Fox-Fordyce氏病は1902年G.H.Fox及びJ.A.Fordyce両氏により始めて報告された。その後多くの学者によりFox-Fordyce氏病として認められたものである。
その特徴は臨床的には,思春期の女子に多く発生し,慢性の経過を取り,固有の発生部位(腋窩,乳房,臍附近,陰阜等)に激烈な掻痒を併う固有の丘疹状発疹を生じ,脱毛機転を将来する毛根の変化を生じ,如何なる治療にも頑強に抵抗する。組織学的には表皮では特に毛嚢の周囲及び汗腺開口部附近に角質増殖及び角化不全を見,真皮では嚢腫状に拡張した汗腺を認め,その附近及び真皮上層血管周囲の細胞浸潤を特異とする。病理に関してはアポクリン腺の分泌異常と云はれている。
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