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婦人科 ホルモン療法
エストリール腟錠の臨床使用経験について
Clinical use of estriol tablet
関 智巳
1
,
品川 寛
1
Tomomi Seki
1
1長崎大学医学部産婦人科学教室
pp.29-32
発行日 1962年1月10日
Published Date 1962/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409202551
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Ⅰまえがき
Estriol (ET)は天然Estrogenの1つとしてMarrian (1930)1)が妊婦尿中より,又Broune(1931)2)等が胎盤組織より分離したSteroid Es—trogenである。その化学構造は第1図の如くで,Steroid核の3,16,及び17番目の炭素の部位にフェノール性—OH基が3個ついて居るtriolである。この生成は主として肝に於いてEstradiol−17β.→Estrone→ETの順に代謝されて出来ると考えられて居るが,この代謝過程の中間代謝産物として更に16—Hydrooxyestrone;16—Epies—trio1;16—Ketoestradiol等が介入するものとみなされて居る。普通非妊時の女性にみられるEs—trogenとしては,ETの他Estradiol−17β及びEstroneが卵巣,副腎から各々分泌されて居るがその作用は全くETと異にするもので,既にCu—rtis & Doisy (1931)3)以後着目されて来ている。又妊婦に於ては妊娠末期尿中にETが急激に著増し全Estrogenの90%に達するが,これはETが胎盤から分泌される事を示唆するもので,ETが月経,妊娠,分娩等の性機能に重要な意義を有するとみなす報告が数多くなされて居る。ETの生物学的作用として,(1)性器作用(性器,乳腺等)。
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