Japanese
English
症例報告
癒着胎盤による妊振6ヵ月子宮自然破裂の1例
A case of spontaneous uterine rupture in the sixth month of pregnancy due to the adherent placenta
竹内 久弥
1
Hisaya Takeuchi
1
1順天堂大学医学部産婦人科学教室
pp.697-701
発行日 1961年8月10日
Published Date 1961/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409202480
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
子宮破裂は妊娠及び分娩に合併する最も恐るべき疾患の一つとされており,16世紀末Guillmeanが初めて着眼して以来,今日迄数多くの報告がなされて,これについては既に多言を要しないものと思われる。しかし,その大部分は分娩時に起るものであり,陣痛開始前の子宮破裂は比較的稀有のものとされている。就中,子宮発育異常,外傷,帝王切開その他の手術既往歴等の原因なくして自然的に破裂を来すことは更に稀であり,欧米文献中には1953年迄に121例の報告があり(Felmus19)),我国では1960年迄に僅か18例を見るのみである。私は最近,妊娠6ヵ月で自然に子宮破裂を来し,病理組織学的所見から,癒着胎盤によるものと考えられる1例を経験したので報告する。
Copyright © 1961, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.