Japanese
English
症例報告
横行結腸が妊娠子宮の前にあつたために生じた後頭頂骨定位
A case of posterior parietal presentation due to transverse colon lying in front of the pregnant uterus
田中 正巳
1
Masami Tanaka
1
1三重県立大学医学部産婦人科教室
pp.142-144
発行日 1961年2月10日
Published Date 1961/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409202375
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Ⅰ.緒言
一般に初産婦では,分娩初期に一過性に後頭頂骨定位をとることは周知の事実であるが,まれに高度の後頭頂骨定位は分娩停止の原因となる。このような後頭頂骨定位による分娩障害については,現在まで外国において若干の報告があるが本邦でははなはだ稀のようである。私は24歳の妊娠10ヵ月,初産婦で陣痛,産道,胎児などにさして異常をみとめないのに児頭下降が障害され,帝王切開術により子宮体前面に横行結腸が下降し,このために胎児は後頭頂骨定位をとり正常分娩が妨げられたと思われる症例を経験したので報告する。
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