Japanese
English
薬剤の臨床
子宮腟部糜爛に対する蛋白分解酵素ナガーゼの使用
Clinical use of proteolytic enzyme Nagarse for portio erosion
赤堀 和一郎
1
,
中後 勝
1
,
柏村 翠子
1
,
柿沼 祐一
1
Waitiro Akabori
1
1神戸医科大学産婦人科
pp.495-498
発行日 1960年5月10日
Published Date 1960/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409202205
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Ⅰ.緒言
子宮腟部糜爛は一見単純な疾患の様に思われるが,帯下の増加,性器出血等のために案外患者を悩ますもので,中には非常に頑固な経過をとる症例も多い。近時抗生物質のめざましい発達により本症は著しく減少したと言われているが,尚比較的屡々見られる疾患であり,しかもその発生原因が単一なものでないために,未だ決定的と言うべき治療法がなく,特にその原因の明らかでない症例に対してはその治療に困惑させられることがある。
われわれは最近各方面で種々利用されている蛋白分解酵素を使用する事により,薬物を直接病巣に浸透せしめて糜爛面を化学的に掻爬し上皮形成を促進させ,治癒効果を増大し得ると考え,本院産婦人科外来に来院した子宮腟部糜爛患者に対し蛋白分解酵素製剤"ナガーゼ"を用いて子宮腟部糜爛を治療し,肉眼的並びに組織学的に著しい改善を認めたのでその成績を報告する。
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