原著
子宮腟部糜爛の治療に就いて
鍋島 光雄
1
,
中野 文子
1
,
大久保 壽
1
1小倉記念病院産婦人科
pp.405-407
発行日 1950年10月10日
Published Date 1950/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409200396
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子宮腟部糜爛は婦人科外來に於て甚だ多數に認められる疾患であり,これに對する療法としては,從來より腐蝕法,物理療法,或は手術療法等種々のものが擧げられている。しかし之等療法の多くのものは長期の治療期間と忍耐とを以てしても,その效果を納めるに頗る難澁なるは周知の所である。余等も種々の上記療法を試みてはみたが,その治療效果は容易に擧げ得られなかつた。唯觀血療法を適應とする場合に,スツルムドルフ氏縫合を施して的確迅速な効果を認めているが,この種の疾患に對して觀血療法を行う場合は,實地醫家にとり限られた場合である。從つて從來より簡約にして的確な非觀血的療法をもとめていたが,最近偶々藥劑療法としてペニシリン局所投與を試みたところ,甚だ良好な治療成績を擧げ得た。よつて茲にその臨床實驗の概要を報告し,諸賢の御批判を乞う次第である。
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