Japanese
English
臨床研究
成長線に関する研究
Studies on the growth line
庄司 忠
1
,
白井 行雄
2
Tadashi Shoji
1
1岩国病院
2広島大学医学部産婦人科教室
pp.169-178
発行日 1960年2月10日
Published Date 1960/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409202140
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Ⅰ.緒 言
思春期に於ける急速なる身体の発育につれ男女性の一定部位—大腿,膝膕部附近,稀れに乳房部,下腹部或いは上肢等に皮下断裂線を生ずるは夙に注目せられた所である3)8)14)。而して発生当時は明瞭な赤色調を呈するが2〜3週前後にしてメラニン沈着を起して褐色,遂には瘢痕状の白色線となり生涯消失することは無い17)19)。この様な発生状態は妊娠時に瘻々見られる妊娠線と臨床的に又組織学的には全く軌を一にするもので,水野・福井は拡張線,申・江幡9)は類妊娠線と呼び,庄司は之を特に成長線と呼ぶことを提唱し,その発生頻度或いは家族集積性に就て嚮きに論及し8),更に門田は之と卵巣機能との関係に就いて報告した17)。然し乍ら成長線の意義,発生機転或いは体格との関係,副腎皮質機能との関係又は皮膚機能との関係に就いては未知の事柄が多く,未だ広汎にして系統的調査のなきを遺憾とするものである。
茲に於て私共は先ず男女成長線の発生と体格との関係を,次で皮膚毛細管抵抗及び好酸球の変動を調査し,或いは下垂体副腎皮質機能検査を実施し更に皮膚機能との関係を調査し聊か興味ある結果を得たので茲に報告する。
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