同人放談
医は仁術
真柄 正直
pp.737-738
発行日 1959年8月10日
Published Date 1959/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409202022
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同人放談欄に何か書けと言うことであるが,何も放談することもなし,一体どんなことを書けばよいのかと聞いたところ,あまり固苦しくなく,理屈つぽくなく,肩のこらないものを面白おかしく書いてくれとのことであつた。そこで,先の人達はどんなことを書いておられるのかと,前々号の本誌を開いて見たら,藤井教授がなかなかよいことを書いておられた。全く自分も同感であつて,年を取るに従つて,益々保存的に傾いて行くのを感ずる。医は仁術であるということが泌々と判つて来たような気がする。一般に研究のための医学,手術のための手術という傾向が強すぎはしないだろうか。研究も手術も患者のためでなければならない。
今年の医学総会で,医の倫理という講演が行われたのは特筆すべきことであったと感深いものがある。あれを聞いて感銘しなかつたものはないであろう。
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