症例報告
米欧視察覺え書(1)
水野 潤二
1
1名古屋市立大学
pp.535-545
発行日 1959年6月10日
Published Date 1959/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409201982
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はしがき
昨年6月カナダのモントリオールで開催された国際産婦人科連合第2回世界大会に,幸い私も日本代表の一人として出席し,その後米国から欧州を訪れ,印度を経て帰る前後4ヵ月の視察旅行をする機会に恵まれた。同じようなコースをとられた他の学会出席者によつて既に立派な視察報告はなされており,遅れ馳せに同じような報告をすることはどうかという気もするが,私は最も遅れて帰つたこと,私なりの経験や感想もないではないと思われること等に鑑み,且つは本誌の長谷川さんからの慫慂をよいことにして,貴重な紙面をかりて私なりの報告をすることとした次第である。
如何にも百聞は一見に如かずではあるが,かと言つて一見した位で本当のことが分るとは言えない。その上この種の報告は独りよがりになり勝で,読まれる方では一向面白くないものとなる惧れもある。私は努めて,あまり片寄つた堅固しいものでなく,一般的なことも交えた覚書程度の肩の凝らないものとしたい考えである。
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