外国文献
Premature Separation of the Normally Implanted Placenta/The Value of Expression of Residual Milk after Breast Feeding
pp.477,482
発行日 1959年6月10日
Published Date 1959/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409201970
- 有料閲覧
- 文献概要
常位胎盤早期剥離に関して
常位胎盤早期剥離に関する文献に就いて綜説を試み,合併症特にHy-pofibrinogenemia及び本症の病因論に関して論及している。
自験例に就いて25年間に357例の早期剥離があり頻度は0.64%,母死亡9例(2.5%),児死亡235例(65%)であつた。診断は明かな臨床所見か,胎盤に圧痕を有する後血腫の証明に依り行つた。初産と経産では頻度に有意の差がなく,重症例が全体の2/3を占め軽症は少い。大部分は分娩開始前に発症して,発症後間もなく分娩が始る例が多い。分娩所要時間は75%に於いて12時間以内で短縮している。外出血の度は様々で,外出血の無いものゝ方が母児共に予後不良である。早期剥離と中毒症との合併は53%に見られ,母児の予後は不良であるが,両者の症状の軽重を比較すると特別の因果関係は認められない。但子癇と早期剥離の状態とは関係がある様である。出血が原因したと思われる血液凝固障害は7例あり,中3例は死亡した。Hypofi-brinogenemiaの成因に就いては出血特に後血腫中にFibrinogenが大量失われ,母体血管中に多くのFi-brin血栓を形成する為Fibrinolysisが起るに依るとした。早期剥離の患者は後で中毒症症状を示すものが多いが,之は子宮・腎反射による腎血管の攣縮や梗塞によるものであろう。
Copyright © 1959, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.