文献抄録
子宮体癌の組織発生について,他
pp.933,979
発行日 1958年12月10日
Published Date 1958/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409201858
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われわれは671例の剔出子宮内膜について調査し,Hyperplasia gla-ndularisに関して,従来はつきりとは区別していなかつた内膜機能層に起る所謂HyperPlasia glandul-arisn iunktionalisと内膜基底層から発生する Hyperplasia glandul-arisとを分類した。前者は成熟期年令に主に見られ体癌への移行像は認められないが,後者は更年期以後に主として見られるものであつて所謂Postklimakterische Hyperpl-asiaからAdenoma malignum迄の種々の移行型を認めることができる。そして体癌に共存するHyper-plasia glandularisの組織像が成熟婦人では3%であるのに老年期婦人では25%にも見られること等から体癌は内膜基底層のHyPerplasiaによつて起ると考えられる。また体癌の時には卵巣組織所見として卵胞消失とそれに代る莢膜細胞の増殖が特有な変化として認められる。
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