Japanese
English
臨床研究
内分泌疾患 Ⅲ—Chiari-Frommel様症候群について
Endocrinological diseases Ⅲ: On Chiari-Frommel syndrome
唐沢 陽介
1
,
梶原 和人
1
,
小林 賀雄
1
,
岩崎 寛和
1
,
加藤 順三
1
,
砂原 良三
1
,
小林 昭郎
1
Yosuke Karasawa
1
1東京大学医学部産科婦人科学教室
pp.393-398
発行日 1958年6月10日
Published Date 1958/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409201760
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I.緒言
正常産褥授乳婦人以外にも,乳汁分泌,無月経,卵巣及び子宮萎縮が起ることがある。かゝる事実は,1855年初めてChiariによつて記載され,次いで1882年のFrommelの報告をもって,今日云うChiari-Frommel症候群なる疾患概念の大略が立てられたのである。
本症候群の主要症候は,持続的乳汁分泌,無月経,卵巣及び子宮の萎縮,尿中ゴナドトロピン(以下GTと略す)の減少,エストロゲン(以下Estと略す)不全等で,Smook,Rosa等の史的見解によれば,彼等は分娩後子宮,卵巣萎縮,無月経,乳汁分泌の不随意存続のTriasを本症候群の特徴に挙げている。しかし一方,Greenblatt,Carmona&Hagler,Christiansen等はこの古典的なTriasを一応認めつゝも,単なる症候論的定義から,病因論的解釈までの拡張概念の下に,このTriasに加うるに,尿中GTの減少,Est不全,下垂体機能失調,更には下垂体腫瘍に基く症例迄もこれに入れている。
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