Japanese
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薬剤の臨床
産婦人科手術時に於けるデキストランの臨床使用経験
Clinical experiences with "Dextran"in obstetrical and gynecological operations
市川 秀一
1
,
本田 三郎
1
,
京田 直文
1
,
中原 芳子
1
,
松尾 良治
1
Hideichi Ichikawa
1
1国立相模原病院産婦人科
pp.703-707
発行日 1957年10月10日
Published Date 1957/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409201624
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はしがき
近年の輸血,輸液に関する業績は目覚しく,麻酔法の進歩と相俟つて,飛躍的に手術領域を拡げているが,更に患者の病態生理により,如何なる場合に,如何なる輸血や輸液が選択して用いられるべきか等と,深く研究検討されつつある。特に輸液に於ける血漿代用品としては,我が国でも,デキストラン,アルギン酸ソーダ,グリコアルギン・カラメルリンゲル等があり,外科領域の報告は尠くなく,漸時,批判採用されつつある。吾々は最近名糖産業から,0.85〜0.95%食塩に,5.7〜6.3%のデキストランを含む邦製デキストランの提供を受けたので,産婦人科に於ける手術に使用した。 外科の消化器系に加える手術では,術前,術後の栄養歴及び術後の栄養摂取法という因子が,輸血,輸液の重要な考慮の対称となるが,産婦人科手術では,先ず術中のショック予防及びショック対策と,術後の回復力への寄与という点により多くの関心が向けられる。吾々は,これらの点を中心として,デキストランの使用経験を述べて見度いと思う。
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