Japanese
English
薬剤
開腹手術時に於ける輸液の効果—特にデキストランGについて
The Effect of trausfussion on Laparatomie:Dex-tran-G
登內 真
1
,
吉永 帰一
1
,
山崎 将次
1
,
櫛見 剛男
1
,
岡野 敦夫
1
,
田中 隆正
1
,
芦原 豊
1
,
山下 輝久
1
,
樫村 明
1
,
田中 宏幸
1
,
小渋 勝彥
1
,
岡本 安弘
1
,
太田 宏
1
1東京医科歯科大学第一外科
pp.719-731
発行日 1958年7月20日
Published Date 1958/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407202219
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I.緒 言
最近に於ける外科治療の進歩は優秀なる抗生物質の出現,麻酔の発達,並びに輸血,輸液に負うところ極めて大である.
Darrowは輸液の目的を水分の補給,広義の栄養補給及びショックの予防等に重点を置いている.この目的に対して最も適合せるものは輸血である.併し乍ら,ショックの恢復にはヘモグロビンの恢復より先ず循環血液量の恢復が肝要だとするBlalockの意見によれば,輸血は操作が繁雑であり,その量並びに保存期間に制限があり,特に辺境の地に於ける突発的救急の際には瞬時にして間に合はない憾みがある.斯る観点に於いて,最近血漿が広く用いられ蛋白補給,ショックの予防等に於いて見るべき効果があるが,血漿は人血を材料として精製されるため甚だ高価であり,時には同種血清黄疸を媒介する等の不利の点も否定出来ない.茲に於いて種々なる血漿代用品の研究が試みられ,アラビヤゴム,ジエラチン,ポリビニールアルコール,ペクチン,ポリビニルピロドリン,カラメル等が引続き創製され実際に使用せられているが,これらは何れも抗原性による副作用があつたり,生体内で破壊されずに組織ことに肝臓に蓄積されるような欠陥があつた.
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