原著
更年期婦人及び絨毛上皮腫患者のSteroid hormoneについて
成田 太
1
,
神尾 憲治
1
1東北大学医学部産婦人科教室
pp.803-807
発行日 1955年9月10日
Published Date 1955/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409201238
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緒言
婦人にエストロゲンのみならずアンドロゲン分泌の存在することは既に指摘されていて,Stei-nach, Kun1)は成熟天竺鼠の卵巣にX線を照射し陰核の著しく大きくなつたことを報告し,Hill2)は睾丸を剔出した廿日鼠に卵巣を移植して,あるものは貯精嚢や摂護腺が正常の雄のもののように発達したことを観察している。一方,副腎に性ホルモン様物質のあることは,Dorfman, Galllag-her, Koch3),Callow, Parkes4)その他多くの研究者の報告がある。Butenandt等は正常婦人尿中からTransdehydroandrosteroneを分離し,Callow等5)はAndrosteroneを分離した。Callow6)は正常婦人1日尿中,アンドロゲン5乃至60国際単位排出されるが年齢により差異が認められると述べている。その他Dingemanse etal7)Hamblen et al8)等多くの報告がある。我々は更年期婦人並びに絨毛上皮腫の患者のエストロゲン及びアンドロゲンを測定し2,3の知見を得たので報告する。
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