原著
腰痛の観察
落合 時典
1,2
1東京医科歯科大学産婦人科教室
2上都賀病院産婦人科
pp.702-704
発行日 1954年12月10日
Published Date 1954/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409201128
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腰痛は腰部にくる疼痛状態の総称であつて決定した病名ではない。ただ「いたみ」という一症候だけを共通にした訴述状態の集りにすぎない。従つて腰痛の本態の解明にはこの「いたみ」という要困の追及が先ず唯一の手がかりであると考えられる。
私は昭和27年4月から昭和28年5月迄当外来を訪れた腰痛患者を観察してきたりころ,総数50例に達したので少数例ではあるがその成績を記しておくことにする。この調査の対照としてとりあげた腰痛はそれを唯一の訴えとするもの或いはそれを第一の訴えとするものに限り,他の症状に随伴した腰痛は除外した。また観察にあたつてはあくまで「いたみ」の追及を中心とし,問診によりその性質状態を分類検討したのであつて,病因的に分類して各個の病因と疼痛状態との関係及び治療経過等はこの調査の主眼目ではない。
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