症例研究
4歳11ヵ月の幼女に見た捻転,癒着浸潤性卵集未分化細胞腫
工藤 三郎
1
,
横山 貢
1
1篠田病院外科
pp.360-362
発行日 1954年6月10日
Published Date 1954/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409201046
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充実性卵集腫瘍中,顆粒膜細胞腫と共に,未分化細胞腫は特殊な一部門を占めている。
本邦では百数十例の報告があり,決して稀なものとは云えないが,未分化細胞腫は組織像では悪性腫瘍の形態を示すに抱らず,臨床的には比較的良性の経過を取る例が多いと一般に認められている。反面悪性経過を辿る少数例のある事も知られている。小林(昭28)の報告する所によると63例中9例に悪性経過を取つたと云う。発生年令も外国文献によると1才より9才迄に11例報告されているが,本邦では田中が7年9ヵ月の小児の1例を報告しているのみである。
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