原著
位相差顯微鏡による新産兒腟内容の細胞研究
原田 浩
1
1京都府立醫科大學産婦人科學教室
pp.313-316
発行日 1953年6月10日
Published Date 1953/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409200842
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I.緒論
Papanicolaou1)が人腟内容中の細胞にも囓歯類のそれに於けると同樣に周期性變化が認められると發表して以來,これに關する幾多の發表をみるがNovak5)は腟上皮の周期性變化に關しては信ずべき定説なしと唱えて居る。然も腟上皮が卵巣ホルモン殊にエストロゲンに感じ易いことは疑のないことであるから,性周期の異なれる時期に於て腟内容中の細胞に變化を來すのは當然のことでこの間の消息を裏書きするものであると述べている。
この樣に成熟婦人の腟内容中の細胞の變化に關する文献は比較的多いが,新産児のそれは比較的少く我國に於ては木内6),石川7)の報告をみるのみである。而して位相差顯微鏡(以下PCMと略す)によりそれを生態形態學的に觀察せるものはなく,ただ新産児の腟内容中のDöderleinの桿菌につき濱田12)が報告したに過ぎない。
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