原著
腟式マドレーネル手術の1次成績について
中島 淸
1
,
深尾 功
1
,
佐藤 泰三
1
,
野久保 泰德
1
1川口市民病院産婦人科
pp.302-305
発行日 1952年7月10日
Published Date 1952/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409200645
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I.緒言
戰後,國民生活の窮乏化に伴い,人工妊娠中絶及び優生不妊手術を施行する機會が一般に増加して居り,之等に關する報告も多数に見られる。我が川口市民病院でも昭和23年頃から前部長加藤騰藏博士指導の下に,主として人工妊娠中絶と同時に腟式マドレーネル手術を試み,今日迄に相當數に達したので,以下其の成績の大要を述べて大方の批判を仰ぎたいと思う。
元來優生手術殊にマドレーネル手術は非妊時に行う方が有利とされているが,余等は患者の希望及び経濟的其他種々な理由から,殆ど總ての場合人工妊娠中絶と同時に而も腟式に施行しており,昭利24年1月から27年1月迄の間に,224例に達した。今之を妊娠月數別に分けると第1表に見るように妊娠3ヵ月迄のものが最も多く,合計139例(62%)となる。尚妊娠8ヵ月の2例でも,腟式子宮下部横切開術と腟式マドレネール手術とを併用することが出來た。
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