原著
吾が教室に於ける過去6カ年間の人工妊娠中絶に就て
松山 文生
1
,
藤田 長利
1
1長崎大學醫學部産婦人科學教室
pp.299-302
発行日 1952年7月10日
Published Date 1952/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409200644
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最近,多子を望まぬ爲と,優生保護法の理解普及にょつて妊娠の人工中絶は急に増加して來たが他面その危瞼例も屡々報告されるに及んだ。そこで吾々は,當教室の長崎本院及び諫早分院に於いて,昭和21年始めより同26年末までの6ヵ年間の人工妊娠中絶,676例に就て調査した。當教室の多賀の昭和7年より同16年末に至る10ヵ年間の調査に於て,人工中絶は217例を示しているが,23年以降,著しく増加しているのは,同年9月11日から施行された優生保護法の適用によるものと思われる。21年22年に例數が少なかつたのは,戰災による施設不備の爲と考えられ,又,17年より20年の間の調査が,戰災燒失の爲不可能であるのは,殘念である。
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