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                                    「アブレル」200餘例を顧て
                                    
                                    
                            
                            
                        
                
                
                            
                            
                                
                                    
                                        
                                            
                                                近藤 千樹
                                            
                                            1
                                        
                                        
                                        
                                        
                                            
                                        
                                    
                                
                                
                                    
                                
                            
                        
                
                
                
                  1東京都立大久保病院産婦人科
                
                
                
                
                
                
                
                
                
                
                            
                            
                        
                
                            
                            
                        
                
                pp.124
                
                
                
                  
                  
              
              
              
                  発行日 1952年3月10日
                  Published Date 1952/3/10
                
                
                
                DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409200599
                
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- 文献概要
今更アブレルでもないと思うが,此可否の問題は未だ本當に割り切れない。其操作の簡單であるのと,中絶效果の確實な事から一時満天下を風靡する様にさえ見えた本法も其後の追試に供し色々の副作用,即ち熱發,發疹,過強陣痛,胎盤一部遺残,子宮下部破裂,不慮の突發死等を見る場合あり,本法に對する嚴正な批判が要求せられて今日に至つている。殊に胸内苦悶に續く短時間内の突發死に對しては殆んど治療の手をほどこす餘裕もない事が多いらしく,この事實は假令萬に一(實際は千に数例?)あつても,おそる可き惡法であると云われても仕方がない。唯筆者が遺憾に思うのは「何だかわからんが恐ろしい死に方をする」からいけないでは如何にも素人臭い。どう云う原因で,どう云うメカニスムで此危險状態が起るかと云う事を追求して欲しいのである。原因が解れば其缺點を除く方法も考えられるかも知れぬ。
筆者は昨年7月117例を集計して聊か其原因に就て想像めいた事を發表した事があるが(東京醫事新誌67巻第7號)其時,本法による分娩來機序は,第1,藥液注入による羊水の性状の變化,第2,之に反應する羊膜,織毛組織,脱落膜の變性,第3,病的變化に基く子宮内膜よりの分泌物,第4,分泌物貯留による陣痛發來として本分娩機轉は生理的のものでなく全く病的のものと見られる。
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