速報
笑氣とイソミタールによる併用無痛分娩法
尾島 信夫
1
,
長內 國臣
1
,
金子 瑛
1
,
島津 幾之進
1
,
飯塚 理八
1
,
小宮 秀男
1
,
中村 實
1
,
藤田 一善
1
,
石山 芳夫
1
,
鹽澤 惟皓
1
1慶應義塾大學醫學部産婦人科教室
pp.206-207
発行日 1951年5月10日
Published Date 1951/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409200487
- 有料閲覧
- 文献概要
まえがき
吾々が無痛分娩の研究を始めたのは終戰翌年の昭和21年9月で,爾來いろいろと試みているが,所謂「分娩の全經過を通じての完全なる無痛」という理想には未だ達してはいない。これは本邦より遙かにこの種の研究の進んだ歐米に於てさえも同樣である。然し吾々が再三強調している樣に(尾島長内共著:無痛分娩,セリオメヂチーナ13,杏林書院行尾島:無痛分娩について:治療,32卷9號1950。尾島:所謂無痛分娩について,産婦人科の世界,2卷12號1950)この理想への早道は産痛の特異性に應じて合理的な麻醉を併用するのがよい。現在の處では分娩第1期(開口期)の長いが弱い痛みには阿片劑乃至バルビタール劑が最もよく,第2期(娩出期)の短いが劇烈なる痛みには揮發劑乃至ガス劑による吸入麻醉法また簡易なものとしては陰部神經醉竝びに局所浸潤痲醉が最も適している樣に思われる。
Copyright © 1951, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.