原著
混合性腺刺戟ホルモンの臨床應用
坂倉 啓夫
1
,
山田 逹郞
1
,
中山 孝
1
1川崎市立川崎病院産婦人科
pp.311-313
発行日 1950年8月10日
Published Date 1950/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409200373
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
緒言
從來臨牀上に使用せられた性腺刺戟ホルモン(以下Gと略稱する)は主として腦下垂體前葉又は妊婦尿よりの製劑であつて,その治療効果は殆ど期待されていなかつた.その後妊馬血清製Gの治療効果がアメリカで喧傳されたが,それ程の効果もなく多少副作用もあるので餘り使用されずにいたが,最近Leonard (1934),Engle (1934)等により性腺刺戟ホルモンの協力作用は相乘的に卵巣に作用することが解り,現在は動物實驗の域を脱し,臨牀上に應用されている.即ち1941年Meyer及びRavetzは腦下垂體前葉性Gと妊婦尿性Gとの混合劑の人卵巣に對する効果を明かに認め,その後Rakeoff,Hamblen等によつてその治療効果が確認された.
最近安藤,早津,上野等により製せられた腦下垂體前葉性Gと胎盤性Gの混合劑であるSynahorinを臨牀的に使用して次の様な結果を收めたので報告する次第である.
Copyright © 1950, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.