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合成雌性發情物質4,4’—ヂアセトオキシーα,β—ヂエチルビベンジルの實驗的竝に臨床的研究—第1報
塚原 栄
1
1東京大學醫學部産科婦人科學教室
pp.299-306
発行日 1949年8月10日
Published Date 1949/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409200236
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緒言
1933年J.W.Cook及びE.C.Doddsは純粹結晶化した天然發情物質がステリン誘導體であることから,縮合炭素環骨骼を有する多くの化學物質について其の發情作用を研究し,最初9-10—ヂオキシー1,2,5,6—ヂベンツー9,10—ヂヒドロアントラヒノールの9,10ヂアルキル誘導體中正ヂプロピール化合物に強力な發情作用のあることを發見した.之はフエナントレン核を有するものであるが,更に研究の結果フエナントレン核を持たぬものでも發情作用のあることを發見した.特に4,4’ヂヒドロキシーヂフェニールエタン更に4.4,ヂヒドロキシスチルベン誘導體の如き簡單な化合物にも顯著な發情作用のあることを發見した.
1937年CookやDoddsはアネトールをアルカリで脱メチル化する時生ずるアノールに強力な發情作用があるとしたが,其の後の研究の結果それはアノールではなく脱メチル處理の際傍生する4,4’—ヂヒドロキシヂフェニールエタン系或はスチルベン系化合物の作用に依るものであろうと考え,4,4’—ヂヒドロキシーα—β・ヂエチルスチルベンに強發情作用のあることが發見された.
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