特集 受胎調節・人工妊娠中絶及優生手術
精神神經科方面より見たる優生保護法
植松 七九郞
1
1慶應義塾大學醫學部神經科
pp.134-138
発行日 1949年4月10日
Published Date 1949/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409200191
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
戰時の人口政策を反映した從來の國民優生法が,惡質素質者の出生を防止すると共に,健全素質の増加をはかるといふ積極的な意味があつたのに對し,今度の優生保護法は惡質素質者の出生を防止する點では,一致するが併せて母性の生命健康を保護するといふ目的に於て制定され,而も強制優生手術の規定を設けたから,今後優生手術或は人工妊娠中絶は,劃期的に増加する可能性がある。而して,殊に優生手術の對象となる遺傳性疾患は精神神經學的疾患が,その大部を占めるわけであるから,手術適應者の選定はその方面の專門家に俟つ事多大である。
本稿は,優生保護法に規定された精神神經病に就て,簡單に解説を試みるのが目的である。
Copyright © 1949, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.