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葡萄糖液羊水内注入に依る分娩誘導法—Aburel氏變法
渡邊 金三郞
1
,
酒向 元
1
,
上野 隆
1
,
邨瀬 淸
1
1名古屋大學醫學部産婦人科教室
pp.120-121
発行日 1949年3月10日
Published Date 1949/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409200185
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緒言
山元助教授により,我國に始めて紹介せられたAburel氏の飽和食鹽水羊水内注入分娩誘導法は,從來の諸法に比し其の簡便さと危險の少ない點に於て廣く臨床醫家の賞用するどころとなり,其の後も數氏の追試報告を見るに至つた.然し既に山元助教授の報告にもある如く2・3の副作用あり,特に1例の不幸例さへ見て居る.余等も最近食鹽に因る中毒死と認むべき不幸例に遭遇するに及び,食鹽水に代るべきものを他に求めんとし且つは既に山元助教授により指摘されてゐる如くAburel氏法の陣痛を催起するものはNaイオンのみの單獨作用でないと云ふ點にも興味を覺え,先づ葡萄糖液を飽和食鹽水に替へて實施せるところ,凡そ所期の目的を達することが出來たので未だ症例も僅少であり,更に目下種々檢討中なるに不拘敢て茲に報告し諸家の追試批判を仰ぐものである.
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