連載 FOCUS
いいお産―『科学的根拠に基づく快適で安全な妊娠出産のためのガイドライン 2013年版』を紹介する
杉本 充弘
1
1日本赤十字社医療センター周産母子・小児センター
pp.481-489
発行日 2014年5月10日
Published Date 2014/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409103782
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はじめに
二十世紀の終わり頃から医療の潮流に世界的な変化がみられ,「患者の視点に立つ患者主体の医療」「より質の高い医療」「より安全な医療」の方向性が示された.わが国においても,インフォームド・コンセント(IC),エビデンスベイストメディスン(EBM),リスクマネジメント(RM)などの用語と概念が普及し,最近では日常の医療現場でよく耳にするようになっている.周産期医療においては,医療者主導の妊娠・分娩管理や新生児管理から,母子中心の妊娠・出産・育児を支援する産科・新生児医療へと,医療者の意識・姿勢は大きく移行しつつある.
「いいお産」は安全の確保が前提であるが,母子中心の出産を支援する産科・新生児医療が求められる.そこで,「いいお産」の歴史的背景を概観したうえで,「いいお産」について考え,さらに,最近改訂された「いいお産」のガイドラインを紹介する.
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