増刊号 産婦人科処方のすべて─すぐに使える実践ガイド
産科編
VII 偶発合併症妊娠
心疾患
小松 篤史
1
1東京大学医学部附属病院女性診療科・産科/女性外科
pp.268-271
発行日 2014年4月20日
Published Date 2014/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409103734
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疾患の概要
心疾患合併妊娠は全分娩のおよそ0.5~1%程度と考えられているが,先天性心疾患(congenital heart disease : CHD)の予後の改善による成人CHD患者の増加のために,今後,増加していく可能性がある.心疾患のなかには,幼少期から管理された先天性心疾患や健康診断で発見された不整脈,妊娠を契機に偶然発見された心疾患・不整脈などがあり,多種にわたる.いずれの場合においても,速やかにNYHA心機能分類・心電図・心エコー・胸部X線写真などによる診断および心機能の評価を行うことが重要である.妊娠によって循環血液量の増加・体血管抵抗の低下・凝固能亢進などの変化が起こり,それらは妊娠週数の経過とともに変動することがわかっている.したがって,妊娠期間を通じて定期的に血行動態を把握し,産科・循環器科を中心とするチーム医療により詳細に観察していく.
今回は紙幅の都合上,処方以外に関しては十分に述べられないが,詳細は「非心臓手術における合併心疾患の評価と管理に関するガイドライン」や「心疾患患者の妊娠・出産の適応,管理に関するガイドライン」を参照されたい.
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