原著
子宮頸部神経内分泌癌6例の解析
長谷川 歩美
1
,
太田 剛
1
,
倉智 博久
1
1山形大学医学部産科婦人科学講座
pp.165-170
発行日 2014年1月10日
Published Date 2014/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409103600
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要約
子宮頸部神経内分泌癌は早期から遠隔転移を起こし,集学的治療を行っても予後不良な疾患である.2001年7月~2012年12月に当科で治療を行った子宮頸部悪性腫瘍307例のうち子宮頸部神経内分泌癌6例(1.9%)における臨床的特性と腫瘍径,初回治療,化学療法,再発の有無について検討した.
子宮頸部神経内分泌癌6例における患者の平均年齢は48歳,臨床進行期はIB期が4例,IIB期が1例,IIIB期が1例であった.特異的な腫瘍マーカーはなかった.初回治療は手術可能な5症例で広汎子宮全摘術が施行された.術後補助化学療法としては,4例でEP療法が,1例でCPT-11/CDDP療法が施行された.再発は6例中3例に認め,再発症例は進行期IB2以上の症例,腫瘍径が大きい症例(>4 cm)であった.EP療法施行後の再発症例でTC療法が有効であった.
子宮頸部神経内分泌癌に対する有効な治療法を確立させるために,さらなる症例の蓄積や検討が必要であると考えられる.
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