今月の臨床 早産─ワンランク上の予防と管理
早産の管理
7.早産児の娩出方法
村越 毅
1
1聖隷浜松病院総合周産期母子医療センター・周産期科
pp.1488-1493
発行日 2011年12月10日
Published Date 2011/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409102863
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早産児の分娩は児が未熟なため圧迫などのストレスで容易にAsphyxiaや循環不全などに陥りやすいことから,満期産の分娩に比較して後遺症を残すリスクが増加すると考えられる.特に32週未満の早産児では神経学的後遺症の発症リスクが高い.これらの後遺症をできるだけ回避するためには早産児に対して低侵襲に分娩を終了させることが分娩管理のポイントとなる.しかし,帝王切開分娩が必ずしも児の予後改善に寄与するわけでもない1).経腟分娩でも低侵襲でスムーズに分娩が終了することもあれば,帝王切開を選択しても娩出に難渋し侵襲度の高い帝王切開となることもある.さらに,児への低侵襲を追求するあまり母体の安全性を損なってはならない.特に26週未満などのきわめて未熟な児の分娩方法は施設間による治療成績の差も考慮すべきである.早産児の娩出方法は在胎週数や推定体重・胎位などを考慮したうえで各施設の治療成績(生存率や後遺症の有無など)を加味して個別に対応することが重要である.
本稿では,早産分娩の管理基準および早産帝王切開における手技(特に幸帽児帝王切開)につき聖隷浜松病院総合周産期母子医療センターでの方針も含めて解説する.
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