特集 周産期相談310 お母さんへの回答マニュアル 第3版
産科編 分娩 お産で出血が多かったのですが、次回のお産のときは大丈夫でしょうか?
柿ヶ野 藍子
1
,
木村 正
1大阪大学 大学院医学系研究科産科学婦人科学教室
キーワード:
分娩後出血
,
輸血
,
リスク評価
Keyword:
Blood Transfusion
,
Postpartum Hemorrhage
,
Risk Assessment
pp.301-302
発行日 2019年12月1日
Published Date 2019/12/1
DOI https://doi.org/10.24479/J00621.2020088351
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<回答のポイント>1)産科異常出血の定義は学会ごとにさまざまであるが、おおむね分娩後の出血が500~1,000mLを超える場合を産科異常出血と定義されていることが多い。2)産科異常出血の原因や治療法を考えるにあたっては、分娩開始後から胎盤娩出後2時間までの「分娩時異常出血」、胎盤娩出以降産褥6週未満の「分娩後異常出血」に分けて対応すべきである。分娩時異常出血で最多の原因は弛緩出血である。3)産科異常出血の既往がある女性では、次回妊娠での再発率は15%程度とされる。ただし、原因によっても再発リスクは異なるため、出血の背景を評価しておくことも重要である。また、分娩前より産科異常出血のリスク評価を行い、リスクの高い症例においては高次医療機関での分娩を考える、あらかじめ輸血を準備しておく、などの工夫が望ましい。
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