今月の臨床 子宮頸癌─予防と妊孕性温存のための治療戦略
予防戦略
2.HPVワクチンの投与対象
鈴木 彩子
1
,
小西 郁生
1
1京都大学大学院医学研究科器官外科学(婦人科学産科学)
pp.1212-1215
発行日 2011年10月10日
Published Date 2011/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409102801
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HPVワクチンは,性交経験者が増加する前の10~14歳の女児が第一の接種対象として推奨されている.しかし,わが国でHPVワクチン(2価ワクチン,サーバリックス®)が承認されて以来,30~40歳代の女性から「私もワクチン接種を受けたい」「この年齢でもワクチンを受けるメリットはあるのか」という質問や,細胞診異常や円錐切除後の患者からも「ワクチン接種が可能か」「ワクチンの効果があるのか」といった質問が多数寄せられ,また,これらに対応する産婦人科医にも十分なコンセンサスが得られていない現状がある.そこで本稿では,HPVワクチンの投与対象,特に27歳以上の成人女性やHPV既感染者に対するワクチン接種について,その接種の意味を明らかにしつつ解説する.
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