今月の臨床 母体と胎児の栄養学
産褥と新生児の栄養管理
2.低出生体重児の栄養管理
渡辺 とよ子
1
1都立墨東病院周産期センター新生児科
pp.704-707
発行日 2011年5月10日
Published Date 2011/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409102678
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はじめに
新生児の栄養管理の基本が母乳栄養であることは,出生体重にかかわらず栄養管理の大原則である.しかし低出生体重であることが出生直後の急性期から成長期さらには成人期に至るまで,それぞれ独特の病態を引き起こすリスクがある.出生体重が少ないほど身体に貯蔵している骨塩や鉄などの絶対量が少なく,その後の成長に伴う需要と供給の負のバランスにより,未熟児代謝性骨疾患(未熟児くる病)や未熟児貧血を引き起こす可能性がある.最近の低出生体重児の栄養に関するトピックスであるDOHaD(developmental origins of health and disease)仮説は,低出生体重児の栄養管理について大きな課題を投げかけている.本稿では以上の観点から低出生体重児の栄養管理について述べる.
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